近年企業の、サステナブルな取り組みが注目されています。化粧品業界における取り組みは、どのようなものがあるのでしょうか。ここでは大手化粧品メーカーのドクターデヴィアスと、その他5社を取り上げます。また最初にサステナビリティの意味についても解説していきましょう。化粧品業界の取り組みを知りたい方や、環境問題に興味がある方はぜひ参考にしてみてください。
サステナビリティとは?
サステナビリティという言葉はご存じでしょうか。サステナビリティとは、持続可能という意味をもつ言葉です。環境保護の場面で、多く使われています。地球の環境と社会全体を持続するために、さまざまな場面でサステナブルな取り組みが行われています。
異常気象や気候変動が問題視されるようになると、企業が環境問題へどう取り組むのか、関心が集まりました。ここでは大手化粧品メーカーのドクターデヴィアスをはじめとする、全6社のサステナブルな取り組みを紹介します。
ドクターデヴィアス
ドクターデヴィアスは環境に対する取り組みとして「Fun to share」に、賛同しています。「Fun to share」は環境省が2014年にはじめた、気候変動キャンペーンです。以前の地球温暖化防止国民運動に代わるものです。「Fun to share」では、新しい知恵をシェアしながらみんなで楽しく暮らし、低炭素社会を作ることも目指します。
「Fun to share」の考え方に賛同する企業は、みんなでシェアする知恵を宣言として登録できます。ドクターデヴィアスはこの宣言に「徹底した節電意識で、低炭素社会へ。」という言葉を掲げました。
これらの宣言は環境省のホームページで、誰でも見られます。またこのキャンペーンに賛同する他の企業の宣言も自由に見られるため、低炭素社会へ向けた知恵の共有がされています。
資生堂
地球環境への配慮として、3つの取り組みをしています。取り組みの内容を見ていきましょう。
地球環境の負荷軽減
資生堂では、工場の生産工程で二酸化炭素の排出量を削減する取り組みもしています。これは再生可能エネルギーの利用や、エネルギー効率の向上によって実現していきました。
サステナブルな製品の開発
容器をサステナブルにする取り組みとして、つめかえやつけかえが可能な容器の提供を行っています。また使用済みの容器を店頭で回収し、リサイクルする取り組みもしています。
サステナブルな調達
自然の資源を活用している事業だからこそ、環境保全に責任をもつ取り組みも大切にしているのです。資源の使用量を制限したり、再利用したりする活動を行っています。
ポーラ
ポーラが環境に対して掲げているのは、3つのテーマです。「つくる責任 つかう責任」「海の豊かさを守ろう」「陸の豊かさも守ろう」というテーマを主軸に、環境への取り組みをしています。
具体的には、肌診断で使用していた紙をデジタル化することで、資源の使用量を減らしました。また容器はつけかえ用を用意したり、リサイクルしやすい容器を開発したりすることで、環境負荷を減らしました。
アルビオン
店頭ディスプレイに使用しているプラスチックの削減や、プラスチック容器を回収してリサイクルする取り組みがあります。容器に使う素材はバイオマスプラスチックなど、独自のサステナブル素材を開発することも目指しています。
またプラスチック削減の他に取り組んでいるのが、紙の使用量削減です。販促物に使う紙はできるだけデジタルに変えて、紙を使う場合もサステナブルな素材を使います。
富士フイルムヘルスケアラボラトリー
主に3つの方針を掲げて、環境問題に取り組んでいます。まずひとつ目は環境に配慮した製品を提供することです。ふたつ目は廃棄物を削減すること、3つ目は従業員への環境教育を徹底することです。
環境に配慮した製品に関しては、容器をつめかえ式にすることがあげられます。またプラスチックや紙の使用量を減らしているのです。さらに従業員の環境意識を高める教育にも、取り組んでいます。
コーセー
コーセーは2017年7月に「国連グローバル・コンパクト(UNGC)」へ、登録しています。これは各企業がリーダーシップを発揮することによって、持続可能な成長の実現を目指す、国連が提唱した取り組みです。「人権」「労働」「環境」「腐敗防止」の4つをテーマとした、10の原則から成っています。原則を実践することで、持続可能な社会へとつなげるのです。
また2013年からは「サステナビリティ委員会」と「サステナビリティ推進委員会」を、作りました。具体的にはサステナビリティ推進活動の方針を決めたり、進捗を管理したりします。
まとめ
大手化粧品メーカーの、サステナブルな取り組みについて解説していきました。ドクターデヴィアスでは環境省が取り組む「Fun to share」に賛同し、持続可能な社会を目指しています。またその他の企業でも、製品の開発や販促に関わる資源を持続可能なものへ変えています。サステナブルな取り組みがされていることもわかりました。
近年環境問題に対する企業の取り組みは、重要視されています。これらの情報を、化粧品業界の企業を知るうえで、ぜひとも参考にしてみてください。